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【シンコ】のこと


ほんの数年前まで、
地元漁師の家庭や地元民だけが,
楽しみ食ってきた魚で、
食卓にのぼり酒の肴として
愛されてきた「シンコ」。

マルソーダカツオのシンコ画

なぜ・・?、
それほど美味しい魚が一般市場に
出回らなかったのか・・?。
それには・・・・、

【朝釣ったシンコは
   昼までに食え!
 宵に釣ったシンコは
  晩までに食え!】

昔から漁師の言い伝えとして
今でも久礼では
誰となく語られている格言です。

シンコ酢

・・・と、言うのも、
昔はそれほどの
冷蔵技術も発達して無かった頃、
この
「マルソーダカツオ(メジカ)」は
極端に鮮度が落ちやすく、
「メジカは腹に中る」と
ずっと言われてきました。

それでも釣ったばかりの船中や
水揚げしたばかりの
「メジカ」を食べると、
これまで食ったことのない
クリクリ・モチモチの
食感に心を奪われ、
「中れば中ってみろ!」・・と、
豪傑たちがその味覚に狂喜して
食ってきたのが事実です。

そんな長年の漁師町の営みの中で、
8月中頃から~
9月中頃までの間に釣れる
旬の魚「メジカのシンコ」は
「腹に中りにくい」との評判で
一斉に漁師町は乱舞して
食い始めました。

そして徐々にその美味しさと
独特の食感が人づてに伝わり、
今のように「シンコ」ブームと
言われるよ~になっていきました。

親メジカとシンコ

では・・、
その「ソーダカツオ・メジカ」・・とは。
スズキ目・サバ亜目・
サバ科・ソウダガツオ属で、
親メジカは30センチから~
40センチにもなりますが、
生れて間もなく海洋にでてきた
「幼魚」のことを「シンコ」と呼びます。

もともと「ソーダカツオ(メジカ)」は、
「ヒラソーダカツオ」と
「マルソーダカツオ」の
2種類があります。
まずは
「ヒラソーダカツオ」
  (漁師はヒラをシロスと呼びます)

シンコ0005

そして
「マルソーダカツオ」
  (漁師はマルをクロスと呼びます)

マル-1

「ソーダカツオ」の語源と由来は。

なんて魚ですか・・?
    「カツオだそ~だ」とか、
常に群衆(なぶら)して
小イワシなどを食み、
水しぶきを上げて
騒々しく喧しい小カツオとして、
「騒多鰹」となったとも言われています。

世界中の温帯・熱帯域の
沿岸域を回遊していて、
世界中で食用となっていますが、
特に国内では、
うどんやそばつゆなどに使われる
「宗太節」の原料として
独特の出汁味を出すことで
需要があります。

そしてその「シンコ」のお浚いですが、

1年魚の幼魚のことで、
鮨だねとして有名な
「コノシロ」のシンコ
 「コハダ(小鰭)」などもそ~で、
サバ科の仲間にも
シンコはいろいろあります。

シンコ5匹

上から順に
●かつおのシンコ
●まぐろのシンコ
●スマ(モンツキ)のシンコ
●ヒラソーダカツオのシンコ
●マルソーダカツオのシンコ

一口に「サバ科」といっても
何百キロにもなる「マグロ」も
親になっても
40センチほどのソーダカツオも、
サバ科の仲間ですが、今、
ブームを巻き起こしている
「シンコ」は、
一番下の「マルソーダカツオ」の
「シンコ」です。

かあちゃん-2-1

おばちゃん

午前3時から~4時頃
久礼の港を出て沖合で漁をし
午前10時~11時頃までに
全速力で港に帰り、
その亭主の釣ってきた
「メジカのシンコ」を
素早く水揚げして
直接大正町市場に出して
その場で捌いて販売しいる
おかぁちゃんの店には、
長い行列ができる時もあります。

立ち食い-0

市場-03

IMG_8677.jpg

ただ・・・、
いくら鮮度がよくても
また食感が独特でも、
メジカのシンコだけなら
これほどのブームにも
ならなかったと思いますが、

美味いものを
更に美味く食うことを追求していった
久礼のものたちは、遠い昔より
「丸仏手柑」を皮ごと摩り下ろし
その果汁を搾り、その爽やかさを
一層引き立てた食い方を知りました。

  さて、そのシンコに
  なくてはならない
  「丸仏手柑」ですが、
  「仏手柑」と言えば
  熟れれば仏の手のよ~になる
  仏手柑と違い。

仏手柑-0011

丸いいままの青い柑橘です。
地元では「スミカン」とも呼びます。

仏手柑

「ゆず」や「スダチ」や「カボス」など、
これまでさんざん
使って食べ比べた挙句、
これじゃないと「シンコ」じゃないと
言わしめた柑橘が
「丸仏手柑・マルブシュカン」なのです。

  いまでは当然のよ~に
  「シンコと丸仏手柑」は
  相思相愛のベストパートナーで、
  シンコの出回りに合わせたごとく
  同じ時期に市場に現れます。

シンコ熱-6

する-1

しんこ0-1

シンコ-04

シンコ酢

冷蔵技術が発達した現在です。
何日経とうがシンコはシンコで
何時でも
食べられる状況にはなりましたが、
如何せん
この「シンコ」の独特の食感だけは
時間を過ぎれば
どんどん劣化していきます。

【朝釣ったシンコは
   昼までに食え!
 宵に釣ったシンコは
   晩までに食え!】

まずはこの漁師町
久礼へ食べにきてください。
そして大正町市場で
捌いたばかりのシンコを、
立ち食いで食べてみてください。

おそらく
初めての食感と爽やかさに、
驚き虜になること
間違いありません。

立ち食い

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今や大ブームとなったシンコは
9月中頃まで釣れると思います。

その味覚と食感に
   虜になること請け合いです。

まずは虜になりに来てください。


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プロフィール

あきsan

Author:あきsan
土佐の生まれで黒潮育ち
元・鰹一本釣り漁師の戯言ブログ

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